男性更年期障害とは

男性更年期障害は、加齢に伴う性腺機能低下で生じる男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされる諸症状群のことで、医学上は加齢男性性腺機能低下症候群(late onsethypogonadism syndrome :LOH症候群)と呼ばれています。
発症する年代は主に40〜50歳代ですが、早い人では30歳代というケースもあり、日本では30歳以上の男性の4人に1人(約1000万人)が、男性更年期障害の何らかの症状を有しているといわれています。
男性更年期障害の症状は、倦怠感、頭痛、めまい、耳鳴り、のぼせ、睡眠障害、物忘れ、イライラ、精神不安、うつ症状、勃起障害(ED)、不妊(精子数減少)、頻尿、筋肉量の低下など多岐にわたっています。
さらに、テストステロンは、男性の生殖器系だけでなく、体の様々な組織や臓器にも作用しているため、テストステロンの低下は肥満、動脈硬化、脂質代謝異常、糖尿病、骨粗鬆症などのリスクが高まることがわかっています。
したがって、男性更年期障害の早期の治療はQOL(生活の質)を向上させると同時に、様々な疾患の予防にも有用だといえます。
自家脂肪由来間葉系幹細胞治療を行うと、傷んだ組織が修復され、低下した精巣機能の回復効果が得られ、男性更年期障害に伴う諸症状改善が期待できます。

治療の対象者
・不眠、イライラなどの精神的不調
・倦怠感、頭痛、耳鳴りなどの身体的不調
・集中力、記憶力の減退
・性力減退、勃起不全(ED)

治療ができない方
・治療申し込み時点で 18 歳未満
・脂肪採取に十分耐えられる健康状態はない
・正常な同意能力を有さない、または代諾者から同意が得られない
・本治療に関する同意説明文書を受理し十分な説明を受け、自由意思による同意を文書で示していない(代諾者が文書にて同意していない)
・問診、検査等などから担当医師により治療適応が無いと判断された方
・妊娠中の方
・婦人科系の疾患を治療中の方
・増殖性糖尿病性網膜症や加齢黄斑変性症の診断を受けた
・コントロールが不良な高血圧もしくは不整脈を認める方
・譫妄(せんもう)の臨床症状を示す
・ペニシリンの過剰反応がある
・脳梗塞や脳内出血、くも膜下出血などの脳血管障害にて現在加療中、または過去 3 か月以内に入院加療を受けた
・脳腫瘍にて現在加療中、又は未治療のうつ病、又は治療によっても改善していないうつ病に罹患している
・12 週間以内において、B 型肝炎、C 型肝炎、HIV、梅毒などの感染症検査の結果が陽性の方

※詳しくはお電話・メールでお問合せください。

脂肪幹細胞治療のメリット

1.自身の脂肪幹細胞を使用するため、副作用が少なく安全

自身の脂肪幹細を使用して、治療を受けていただけます。

2.入院、手術の必要がない

脂肪幹細胞治療は、脂肪組織の採取も自家脂肪由来幹細胞の投与も外来で実施可能な身体的負担が少ない治療です。

3.幹細胞を保管することで生涯治療に使用できる

培養した幹細胞を保管し、再度注射することも可能です。

 

治療の流れ

入院不要で日帰りで治療ができます。

STEP01

カウンセリング
十分な説明を受けた後、提供計画に基づき同意書面をご提出頂きます。

STEP02

血液検査
採血による感染症検査等、事前検査を行います。結果が出るまで1週間ほどかかります。

STEP03

脂肪採取及び採血
局所麻酔にて腹部等脂肪が確実に採取できる場所から少量の脂肪を採取します。
培養用に血液100mlを採取します。

STEP04

CPC(培養施設)で細胞培養・増殖
※約6~8週間

STEP05

点滴投与(30分程度)
培養した幹細胞を点滴します。

STEP06

経過観察
幹細胞投与後1.3.6.12か月後を目処に可能な限り観察いたします。

予想される効果と起こる可能性のある副作用

予想される効果

脂肪由来間葉系幹細胞は、神経・脂肪・筋肉・骨・軟骨・他の内臓組織に分化(形態や機能を獲得)する能力を持ち、損傷した細胞や老化した細胞の修復が可能とされています。また、幹細胞からの分泌物は、周囲に拡散して近隣の細胞に直接作用することができ(ホーミング効果)、免疫系の制御、血管新生、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アポトーシス作用、組織修復作用など様々な治療効果が期待できます。

起こるかもしれない副作用について

【脂肪組織採取時】

・切開した部位からの出血
・切開した部位の感染や痛み
・麻酔薬使用に伴う副作用、アレルギー症状(動悸、蕁麻疹、呼吸苦など)

【投与における副作用等】

・幹細胞投与後に発熱(通常は 24 時以内に収まります。)
・アレルギー症状
治療中に、動悸、蕁麻疹、呼吸苦などのアレルギー症状を来したという報告があります。
・想定外の偶発症
過去に、脂肪由来間葉系幹細胞の投与を受けた患者様が、肺梗塞で死亡した症例があります。幹細胞の投与と肺梗塞による死亡との因果関係は不明ですが、肺塞栓症は幹細胞静脈内投与の最も危険な合併症です。

万が一治療経過中に肺塞栓症を発症した場合には、当院では以下のように対応いたします。

①院内で発生した場合は、胚血栓塞栓症の治療ガイドラインに基づいた重症度判定を行い、呼吸循環管理を迅速に実施した上で提携医療機関などに救急搬送します。
②院外で、突然に呼吸困難、胸痛、冷や汗などが生じた場合は、当院に電話連絡をして下さい。(診療時間外は緊急連絡先)
救急要請が必要かの判断と必要に応じて提携医療機関など対応病院のご案内をいたします。
③偶発症に関しては、先ず当院で対応しますので、幹細胞投与後に苦痛を伴う気になる症状がある場合はご連絡をお願いします。万が一当院で対応できない症状が発生した場合は、入院設備が完備された外部の医療機関をご案内いたします。

本治療法における注意点

投与当日は、激しい運動、徹夜、過度の飲酒などは控えてください。

試料の保存及び破棄の方法

この治療にて採取した血液は、患者様ご自身の治療のみに使用します。
治療結果を研究のデータとして用いる場合、ご本人様または代諾者様へ利用の可否の確認を別途いたします。また、治療結果の発表を含めあなたの名前や個人を識別できる情報は一切公表されることはありません。
採取し培養した細胞加工物の一部は施術直前毎に-80 度において最低 10 年間保存いたします。

培養の失敗時

脂肪採取時や、自家脂肪由来間葉系幹細胞培養中などに、非常に稀に細菌や真菌などが混入することがあります。(コンタミネーション)と言います。万が一コンタミネーションが確認された場合、培養している細胞はすべて廃棄するため、投与を行うことができません。継続して治療を希望される場合は改めて脂肪組織採取を行うことになります。(その場合は採取時の費用は不要です。)

本治療の審査・届け出

自家脂肪由来幹細胞を用いた治療を当院で行うにあたり、再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づき、再生医療等委員会の審査にて「適」の承認を経た後、再生医療等提供計画を厚生労働大臣に提出しています。
計画の閲覧を希望される方は、問い合わせ窓口にご連絡ください。

他の治療法との比較

男性更年期障害は、医学上では加齢男性性腺機能低下症候群(Late Onset hypogonadism Syndrome:以下 LOH症候群)と呼ばれています。
テストステロン減少による症状が少しずつあらわれてくることが多く、本来は LOH 症候群の症状であるにも関わらず、「うつ病」や「自律神経失調症」などの精神的な疾患と診断されてしまうことや単なる加齢による変化(年のせい)として片付けられてしまうケースも少なくなく、適切な治療がなかなか行われていないのが現状です。
これまで行われている治療方法は、ホルモン補充療法、漢方療法、ED 治療薬、向精神薬や睡眠誘導剤、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病に対する薬物療法、サプリメント療法などで、いずれも根本的な治療方法ではありません。

よくある質問

Q.入院は必要ですか?
A.投与する細胞の元となる患者さまの自己組織の採取と、培養が完了した後、投与のために合わせて2回ご来院いただく必要がありますが、いずれの処置も日帰りで行えます。

Q.治療時間はどのくらい掛かりますか?
A.患者さまの自己組織の採取は1時間程度、点滴による治療自体は1~2時間ほどで処置が完了します。完全予約制なので待ち時間はありません。
ただし、脂肪幹細胞の培養に6~8週間ほどお時間をいただきます。したがって、初診から治療までの期間は、約2ヵ月~2ヵ月半とお考えください。

Q.治療に必要な自己組織はどのくらいですか?
A.採取する組織は3~5㎤程度を採取します。採取時は局所麻酔をするため痛みはほとんどありません。

Q.安全性は担保されていますか?
A.再生医療による治療は、厚生労働
省に治療の提供計画書を提出し、受理されなくては提供できません。当院の申請は受理されており、国内でも安全性が厳しく審査された治療法をご提供しています。

Q.医療費控除の対象となりますか。
A.治療目的であれば、医療費控除の対象になることもございます。手続き方法等詳しくは最寄りの税務署にお問い合わせください。